リンクを踏んだらサヨウナラ

無許諾の音楽・映画 ネットで入手、自宅でも違法に

amazon.co.jpの利用者ですら違法になる時代が来るのか。amazon.co.jpの書籍やDVDを購入時に,amazon.co.jpが表紙やパッケージ写真の公衆送信権の利用許諾を得ていなければ,利用者は違法となる。「違法サイトと承知の上で録音録画する場合」となっているが,amazon.co.jpは出版社でもDVD販売元でもないことは利用者も知っているわけで,「公式サイトでないサイトに掲載されている画像で著作権者表記のない画像は違法であると推定することが知的財産保護が国益につながっている日本では常識である」なんて判断されるかもしれない。

罰則は設けないとなっているが,違法とすれば不法行為として民事訴訟で引きずり出させられる。民事訴訟は刑事ほど厳密な証拠を必要としないので,裁判官の心証一つで決まってしまう。iPodPSPを所有していたりニコニコ動画のプレミアム会員だったりすると,推定有罪だろう。もちろん裁判では所有するPCのHDDの中身が全部公開される。

公の場でiPodPSPで動画を閲覧していたら,違法ダウンローダー扱いで正義感に燃える善良な市民に機器を破壊されるような暗い時代になるのか。

違法化になってまず利用者が訴えられる画像はワイドショーやニュース番組になるだろう。言い放し,流し放しでパッケージ化を想定していない番組の場合には利用者を訴えても顧客を失うことはない。ネットでドラマやアニメ以外で話題になる動画は生番組のハプニングシーンで,コメンテイターや司会者の失言,失敗などはTV局にしてみれば利用されることがなんのメリットにもならない動画だからである。

はてなも画像の投稿が可能になっているが,私が著作権侵害の画像を貼り付ければ,その画像を見た者は「知らなかった」ことを証明しなければならなくなる。知っていることも知らないこともどちらにしてもその証明は直接はできず,いくつかの事実を組み合わせて間接的に証明するしかない。そんなめんどくさいことを考えながらネット利用できるわけがない。

まだ法制化されたわけではないので,国会で否決されればいいのだが,著作権関係については利用者側にたつ国会議員が少ない。票に結びつきにくいし,著作権問題をマスコミはネタにしないために,権利者側のロビー活動に対して一般利用者の意見を反映しにくくなっている。実は著作権法の問題は,少数の利権者と多数の利用者という点で,道路や年金,農業などと同じ構図になっている。