アニメ定量分析の定量部分の補足 その3
SPA!連載中の「アニメ定量分析」4回目はノイタミナと日本テレビ火曜日深夜枠の話がでたので,それぞれの製作委員会の構成企業の特徴を分析してみる。
ノイタミナは2005年から2009年末までの17作品,日本テレビ火曜日深夜枠は2004年から2009年末までの18作品*1の製作委員会の構成企業リストを作成し,R*2のsnaパッケージを用いてグラフ化した。図の円の半径は作品への参加数の多さを表している。直線は同一の作品に製作で参加した企業同士を結んでおり,直線の太さは協働の作品数を表している。
図1はノイタミナ枠の製作委員会構成企業のネットワーク図である。アスミック・エース,フジテレビ,電通,ソニー・ミュージックエンタテインメントを中核として,その周辺に原作出版社や制作会社が並んでいる。
図1:ノイタミナ枠の製作委員会構成企業ネットワーク
図2は日本テレビ火曜深夜枠の製作委員会功績業のネットワーク図である。作品数ではノイタミナ枠よりも1本多いのだが,ネットワークとしてはノイタミナよりもずっとすっきりしている。図の右側に『攻殻機動隊S.A.C. 2nd GIG』の製作委員会構成企業であるバンダイ,ビクター,電通があるが,それを省けばさらにネットワークはシンプルなものとなる。
日本テレビ火曜深夜枠は日本テレビが出資するVAP,D.N.ドリームパートナーズを中核として,マッドハウス,Production I.Gと資本関係によってネットワークが構成されている。
図2:日本テレビ火曜深夜枠の製作委員会構成企業ネットワーク
メディア関連企業の集合によって構成されるノイタミナ枠と資本関係を中心に構成される日本テレビ火曜深夜枠といった違いがわかる。