大洗でうる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバー話

twitterで大洗特爆上映で出会ったガルパンおじさんとうる星やつらの話で盛り上がったとツイートしたら,大洗特爆関連で一番インプレッション多いので,ちょっと調子に乗ってうる星やつら話を書いてみる。

うる星やつらについて語る人のほとんどはビューティフル・ドリーマーであり押井守の話になるんだけど,それ以外の劇場版ってあまり語られない。私自身も他人にはビューティフル・ドリーマーを勧めるのだが,劇場版で好きなのは『うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバー』である。
ストーリーの体をなしていない作品なのだが,土器手司作画監督によるラムさんの姿を大スクリーンで見られる,それだけで十分というくらい,思春期の私はどっぷりとハマっていた。しかもTVシリーズが終わるのと同時期の上映であり,4年半続いていたアニメうる星やつらに終止符を打つ作品である。いまなら「○○ロス」と称される最終回終了後の喪失感への覚悟を決めさせられていた。

うる星やつら4はそういう点でアニメうる星やつらの最終回である。エンディングでそれまでの劇場版を含むアニメのカットにあわせて,玉置浩二節の「メランコリーの軌跡」が流れる。松永夏代子の歌声が終わりを迎える切なさを一層高める。

Melancholy no Kiseki - Urusei Yatsura 4: Lum the Forever

劇場版うる星やつらは1から3までは同時上映がくっついていたが,4だけは単独上映だった。いまでこそ単独上映が普通なのだが,当時はアニメは同時上映が普通にくっついていて,一方で入れ替えのない映画館ばかりだった。4は朝から夜まで見続けて,毎回メランコリーの軌跡を聞きながら涙を流すことを上映終了日まで繰り返していた。最後の上映を見終わり,ほぼ同時期にTVも最終回を迎えた日には「これからの人生は余生にすぎない」と日記に書いた。たぶん,この感情を理解するには,4年半毎週うる星やつらを見続けて,神のようにラムさんを崇め奉る境地に達しないと無理かもしれない。

そんな長い余生をもう30年以上過ごしているわけだが,そこでばったり武道館イベントに行っていたというガルパンおじさんと話がはずんで,「メランコリーの軌跡よかったですよね」とか「完結編は原作最終回のアニメであってTVアニメの完結編ではないですよね」とかツボにはまる。

当時十代だった私には,あの日が人生の終わりだった。それでも生き続けていれば,新しい出会いがあったり,面白い作品に出会えたり,当時の感情を理解してくれる人に出会えたりするかもしれない。「人生は思春期の敗戦処理にすぎない」というのをtwitterで見たが,敗戦濃厚かもしれないが試合放棄せずに続けていれば,勝ち負けとは別の試合としての楽しさはそれなりにやってくる。

結論としては「ガルパンはいいぞ」。