団体であって著作権者ではない

http://www.asahi.com/culture/update/0401/TKY200803310390.html

ブックオフが21世紀のコミック作家の著作権を考える会などの団体に1億円払うという新聞記事なのだが,そもそも支払うべき理由がないカネを支払うべき理由がない団体に支払うことは2重の無理がある。

中古ゲーム訴訟でもあきらかなように,著作権のうち譲渡権は新刊の販売時点で消尽している。ブックオフを含め古書店著作権者に著作権料を支払う根拠はない。しかも,支払う先は圧力団体であって,著作権者ではない。要するにみかじめ料を支払いたいと言っているだけである。支払われた1億円は政治家への寄付金やマスコミへの広告費等として,著作権法改正運動に利用されるだけである。それは中古書店の経営に対してプラスにはならない。当期利益の6%程度のカネを支払うべき理由なく,圧力団体に支払うことは株主の利益を毀損しており,株主代表訴訟のおそれもある。

ブックオフは創業者が経営陣から離脱し再建ファンドによる経営立て直しの最中であるが,対外イメージの改善だけをねらった世論への観測気球なのだろうか。